« 私はなぜ新聞労連が嫌いか | トップページ | メディアは自社のブログくらい管理しろ »

2006年2月 1日 (水)

道新問題を考える

北海道新聞がいったん「北海道警が覚せい剤の『泳がせ捜査』に失敗し、道内に大量流入の恐れ」と報じておきながら後に「おわび」を掲載した問題で、道新は1月31日に関係者7人の処分を発表した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060131i211.htm

下った処分は編集局長が役員報酬の減俸30分の1、1カ月、局総務と局次長が減俸2分の1、1日で他は譴責など。

わざわざ役員報酬と但し書きつけるところを見ると、道新の編集局長はいわゆる従業員取締役扱いで他に使用人分の給与があるってことだろうから、実質的な賃カツ率は局次長並みじゃないのか。どっちにしろ大した内容ではなく、処分を発表することに意義がある内容、すなわち道警へのポーズだ。

夕方、時事の号外速報携帯メールで「道新幹部らに処分」という見出しが配信されてきた時には、「とうとう編集局長更迭かよ」と思ったのだが、結局は子供だましである。まあ、この後こっそり配置転換とかやるつもりなんだろうが、やらない方がマシな内容で道新の見識を疑う。毎日が「道警の公式見解取らずに記事化の疑い」など厳しい内容の検証記事出したから、慌てて処分発令したんじゃないのかとも考えたくなる。

毎日の検証記事:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060131k0000e040095000c.html

こういう取材での事実関係の方法論に踏み込んだ、この毎日の記事は評価できる内容だ。

最近の道新は広告職場での業務上横領行為が相次いで明るみに出るなど、職場の箍が緩んでいる印象を受ける。今回の問題はその延長線上にあるのではないか。事実確認という取材・報道を行う上で一番重要な事柄の手法に起因するだけに、報道に携わる者一人一人がこの事件を深刻に受け止める必要がある。対外的なポーズに過ぎない内容の処分が、おわび掲載から2週間以上経ってから発令された経緯や背景の検証も欠かせない。何らかの事情が存在するはずだからだ。

原稿が紙面化されるまでには、取材予定の段階からいくつもの職場や職制のチェックがあり、そのことがミスや誤報・虚報を防ぐ安全弁の役割を果たしている。もしこの報道に虚偽の部分が多かったとしたら、道新という大メディアの組織的な問題だ。

これだけメディアの信頼に関わる不祥事が続発すると、昔だったら組合がきちんと襟を正して取り組んだはずだが、現状のマスコミ労組とりわけヤキが回ったと言わざるを得ない新聞労連には無理な注文か。例によって労連委員長のブログには道新問題などメディアの不祥事に関する内容はほとんど出てこない。今回も、恐らく道新労組の顔色窺い、ほとぼりが覚めるの待つだけだろう。労使ともどもメディアが背負った課題は重い。

|

« 私はなぜ新聞労連が嫌いか | トップページ | メディアは自社のブログくらい管理しろ »